前回、そして前々回と、
歴代の先生方にかけていただいた「忘れられない言葉」について書いていたら
だんだん楽しくなってきてしまい、
「何かほかに覚えていることはないかな?」と必死に記憶を辿っていたら・・・
出て参りました!
こころに残る恩師の言葉、今回は「卒業式」編です。
遥か昔の小学校や中学校はもとより、高校や大学の卒業式でさえ、
どんな式だったのか、もうすっかり忘れてしまいました。
校歌を歌ったり、校長先生のお話を聞いたり、様々な感動的な場面も確かにあったはずなのですが、今となっては卒業証書をいただいた場面の記憶すらありません。
どの卒業式でも、式が終わり教室に戻った後、担任の先生から門出を祝う暖かいメッセージを頂戴したはずなのですが、申し訳ないことにそれすらも覚えておらず(その後に友達や後輩と写真を撮ったことはうっすら覚えているのですが・・・)全くもって恩知らずな私なのですが、
おひとりだけ、とても印象に残っている先生がいます。
中学校の卒業式の日、
教室に戻り先生からお話をいただき、荷物を持ち、いよいよ「みなさんさようなら」という時だったと思います。
担任の女性の先生(ベテランの、みんなのお母さんのような女性でした)から、
「最後にめっちゃ大事なこと言うとかなあかん。
よう聞いときや!
あなたたちが今持っているお花な(卒業生に一人一本カーネーションが用意されていました。)、PTAのお母さん達が今日の為にわざわざ用意してくれはったものやねん。
毎年な、うっかり落として帰るやつやら、
その辺に忘れて置いて帰るやつやらおるけどな、
特に男子!今年は絶対そんなん許さへんからな。
今日は私が見張ってるからな!!
人が心をこめて用意してくれたものは、ちゃんと家まで持って帰りなさい。
今までありがとうってお母さんに渡してもいいしな。
もし、花を持って歩くのが照れくさい男子は、これが終わったら
帰るまでに愛する女子にあげなさい。
まだ「好きや」って言えてへんのやったら、
今日がほんまに最後のチャンスやぞ!
男やったらちゃんと言う時はびしっと言わなあかんで!!
以上です。」
との熱いメッセージが。
そしてその後、本当に女の子にお花を渡している男子が何人もいました。
自分の彼女に堂々と渡しに行く子、
友達数人に文字通り背中をぐいぐいと押され、顔を真っ赤にしながら
やっとの思いで片思いの相手に渡せた子、
スカッとジャパンのワンシーンに出てきそうな
何とも素敵なキラキラとした光景があちこちで見られました。
校庭や教室に置き忘れられたお花もなかったように思います。
先生の暖かい言葉のお陰で、お花も無駄になる事もなく
卒業生のみんなにとっても、
大変思い出深い一日となったように思います。
私はといえば・・・
そのようなキラキラワールドとは全く縁がなく、
仲良しの後輩の女の子と台車にのって遊んでいたら
調子に乗りすぎて転倒し、両肘から流血していました。
自分のアホさ加減にがっかりしながらトボトボ帰ったのを
よく覚えています。
今思い出しても、我ながらやれやれです。